データ分析

井上尚弥のKOラウンドで何が起こっているのか!?パンチデータから徹底分析➀【VSマクドネル】

VSマクドネルパンチ種類

2019/12/6(更新日: 2019/12/9)

井上尚弥選手のバンタム級転向後、3試合(VSジェイミー・マクドネル、VSファン・カルロス・パヤノ、VSエマヌエル・ロドリゲス)は、いずれの試合も早期KO決着に終わりました。

順に並べると、

(VSジェイミー・マクドネル)1R 1分54秒 TKO

(VSファン・カルロス・パヤノ)1R 1分10秒 TKO

井上尚弥のKOラウンドで何が起こっているのか!?パンチデータから徹底分析②【VSパヤノ】

(VSエマヌエル・ロドリゲス)2R 1分19秒 TKO

井上尚弥のKOの裏で何が起こっているのか!?パンチデータから徹底分析➀【VSロドリゲス】

なんと3試合合計4ラウンド(合計時間7分23秒)しか戦っていません。

そこで今回はバンタム級転向後、3試合で圧倒的な数字を残した井上尚弥選手のKOラウンドのみをピックアップして(VSロドリゲスのみ全ラウンド)、パンチ数、種類から分析していきます。

まずは第1戦WBA世界バンタム級タイトルマッチ(VSジェイミー・マクドネル)からです。

VSマクドネル 井上尚弥のパンチデータ

まずは全パンチの種類、割合から見ていきます。

データを見ると、圧倒的に左フックの割合が多く、逆に左ジャブが少ないです。

左ジャブで丁寧に試合を組み立てるイメージが強い井上選手ですが、この試合は左ジャブはほとんど出さす、ガンガンフックを振り回しています。

相手がリーチ差10cmあるマクドネル選手だったからこそこの戦略をとったのではないかと思います。

単純なリーチ差では大きく劣っていますが、井上尚弥選手にあってマクドネル選手にはないものがあります。

それが、踏み込みのスピードです。

解説の村田諒太選手も言っていましたが、いかにリーチ、身長差があろうとも一瞬で相手に迫る踏み込みのスピードがあれば全く関係ありません。

試合を見るにこの踏み込みのスピードに大きく差があり、井上選手は飛び込んでいきなりの左フックを多様していました。

1ラウンド1分20秒にマクドネルをぐらつかせたパンチもこの左フックでした。

また、右のパンチもストレートが少なくフックが多い印象ですが、懐に入っての連打が多かったための結果でしょう。

続いて、各パンチのヒット率に移ります。

VSマクドネル 井上尚弥の各パンチのヒット率

全パンチは33発その内クリーンヒットは9発、ヒット率は27%になります。

それでは、各パンチを見てみましょう。

ジャブはボディを含めて合計3発、極めて少ないですが、序盤のやりとりで距離を掴んでおり、不要と判断したのでしょう。

ボディショットは、合計6発(ジャブを除く)放っており、その内左ボディでダウンを奪っています。

また、最後のラッシュでもボディを織り交ぜており、非常に有効でした。

井上尚弥選手にしては、ヒット率が低く感じますが、ガードの上から強引に打ち込むことが多くあり、それが原因となっています。

しかし、ガードの上からでも効いている節があり、効かしたパンチで数えるとまた違ってくるかも知れません。

最後にダウンシーン及びKOシーンの分析です。

井上尚弥VSマクドネル ダウンシーン、KOシーンのコンビネーション

最後にファーストダウン及びKOシーンを振り返ります。

まずは、1ラウンド1分27秒に生まれたダウンシーンからです。

1ラウンド1分20秒、井上選手の飛び込んでからの左フックがマクドネルのテンプルを捉えます。マクドネルがぐらついた所に追撃の左フック、このパンチは空振りますが、コーナーに追い込み、右フックからの左ボディでダウンを奪いました。

まとめると、

左フック(単発、ヒット)→左フック(単発、空振り)→右フック、左ボディ(ヒット)

1分24秒 左ボディでのダウン!!!

続いてKOシーンです。

まず左フックで間合いを詰めます。その後、嵐のようなラッシュを見せました。

左ボディ→マクドネルの左を被弾→右ボディ→左フック→マクドネルの右ストレートを被弾→右フック×2→左フック×2→右フック→左フック→右フック×2→左フック(ダウン)

1R 1分54秒 ラッシュからの左フックでのTKO勝利!!!

ガードの上からもお構いないの合計12発の怒涛のラッシュでした。最後は左フックでダウンを奪っています。

しかし、課題もありラッシュ中に2発マクドネルのパンチを被弾しています。

凄まじい攻撃力、卓越したディフェンススキルを持つ井上選手ですが、フルパワーで攻撃する際にガードが甘くなる傾向があります。このラッシュはその欠点が出でしまいました。

この試合の反省点をあげるとするならば、そのガードの甘さと井上選手本人が語っていたように「硬くなりすぎた。」という所でしょう。

ただし、この試合はバンタム級転向初戦、またWBSSの切符がかかった試合でしたので、仕方ないとは思いますが。

次回は、WBSS初戦VSファン・カルロス・パヤノの分析です。

最後までありがとうございました。

それでは。

*パンチ数、種類は独自に手動で計測したものです。肉眼での計測のため、正確なものとは限りませんので、ご了承下さい。