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トップランク、マッチルーム、DAZN??海外ボクシングのプロモーターシステムを解説【井上尚弥、村田諒太、京口紘人】

海外ボクシングのプロモーターシステムの疑問

モンスター井上尚弥選手の活躍を筆頭に日本のボクサーもいよいよ海外進出する機会が増えてきました。

そこでよく耳にするのが、プロモーターの存在です。

井上尚弥選手がトップランクと契約したニュースは大々的に報道され、日本でもプロモーターの存在と言うのが、認知され初めてはきましたが、いま一つピンときてない方が多いのではないでしょうか。

そこで、今回は日本のボクシング界とは違う海外のボクシングのプロモーターシステムについて解説していこうと思います。

日本と違う海外のプロモーターシステム

まず日本のボクシングシステムですが、基本的に日本のボクサーは日本ボクシング協会(JBC)加盟ジムに所属し、そのジムと契約を結び試合を行います。

基本的に所属ジムがあり、そのジムの意向に沿って試合を行っていく形になります。

それに対して、海外ボクシングは、基本的にジム所属と言うよりは、試合を主催するプロモーターと契約を結び試合を行います。

練習拠点となるジムはあるもののあくまでプロモーターの意向に沿って試合を行っていく形になります。

まとめると

日本

・ジムと契約し、試合を行う。

海外

・プロモーターと契約し、試合を行う。

といった形になります。

もちろんプロモーションも多数あり、大手をあげるとボブ・アラム率いるトップランク、エディ・ハーン率いるマッチルーム、オスカー・デラホーヤ率いるゴールデンボーイ、アルヘイモン率いるPBC、他にもマニーパッキャオのMPプロモーション、メイウェザーのTMTプロモーションなどがあります。

代表的な日本人ボクサーでは、井上尚弥、村田諒太がトップランク。

つい先日発表されましたが、京口紘人選手がマッチルームと契約をしています。

なぜ井上尚弥の試合はDAZNでは見れないのか?

現在、日本で海外のボクシングを観戦しようと思った場合、2つの選択肢があります。

それは、有料チャンネルであるWOWOWもしくはDAZN(ダゾーン)に加入することです。

しかし、先日アメリカで行われた井上尚弥選手の試合はWOWOWでの生放送はありましたが、DAZNでの放送はありませんでした。

なぜでしょうか??

それは、トップランクなど各プロモーションもそれぞれテレビ局と契約しているからです。

トップランクは、アメリカの有料スポーツチャンネルESPN+と契約しており、このチャンネルで契約選手の試合が放送されます。

(ESPN+ボクシング中継はWOWOWで放送されることがほとんどです。)

対して、マッチルーム、ゴールデンボーイはDAZNと契約しています。

中には、カネロ、ゴロフキンといった超スーパースターは個人でDAZNと契約していますが、基本的には所属プロモーションの契約するチャンネルで試合が放送されるようになります。

つまりは、所属するプロモーションで試合が中継されるチャンネルも決まってくるわけです。

ボクシング界にもリーグがある??

先ほどのテレビ局とプロモーターの関係を見て、勘の良い方はこう思ったはずです。

「なら、トップランクとマッチルームの選手は試合できないの?」

そうなんです。

放送チャンネルが違う訳ですから、基本的には同じプロモーションに所属する選手同士で試合をするようになります。

もしくは、プロモーターが連れてきた相手と試合をするようになります。

別のプロモーションの選手同士が試合をする例外はもちろんありますが、利益を考えると同じプロモーション所属の選手同士で試合をさせる方が得です。

なぜなら、せっかく育てたスターを減らされるリスクがないからです。

せっかく育てたスターを他のプロモーションの選手に破壊されたら、損害は計りしれません。

しかし、同じプロモーション同士なら、スターを倒した選手が新たにスターになるだけですから、損害はありません。

先日、ロマチェンコがロペスに破れる波乱がありましたが、両選手ともトップランク所属なので、ロマチェンコの価値は下がりましたが、ロペスの価値が上がったためトップランクに損害はないと言えるでしょう。

そんな状況だから、同階級で実力も拮抗して、対戦が期待される選手同士の試合がなかなか組まれなかったりする訳です。

ボクシング界にもサッカーや野球で言うリーグがあると考えるとわかりやすいです。

海外サッカーに例えるなら、

トップランク→ラリーガ

マッチルーム→プレミアリーグ

ゴールデンボーイ→セリエA

PBC→ブンデスリーガ

他のプロモーション同士の対決→チャンピオンズリーグ(ただし、定期的な開催ではない)

といったところです。

海外のボクシングというと単純に強い選手同士が対戦し、最強を決めているイメージですが、実際は各プロモーションのビジネス戦略のもとに試合が組まれている訳です。

海外のボクシングプロモーターが欲しい選手とは

それでは、トップランクやマッチルームなどの大手のプロモーションが欲しい選手とはどういった選手でしょうか。

それには2種類の選手がいます。

まずはスターになれる素質を持った選手です。

その次にスターの対戦相手になれる選手です。

この2種類の選手が揃って初めてその階級が盛り上がります。

例えば、ロマチェンコ、ロペスのいるライト級は非常に盛り上がっていますが、それはトップランクがロマチェンコを軸にライト級の有望選手を多く集めたからです。

反対にパウンドフォーパウンド常連のクロフォードの試合が盛り上がらないのは、トップランクにクロフォードの対戦相手がおらず、他のプロモーションにいるからです。

日本人選手でいうと、井上尚弥選手は間違いなく、スターになれる素質を持った選手として契約されています。

しかし、現状トップランクのバンタム級にライバルになりそうな選手はあまりいません。

これから、ロマチェンコのようになるのか、それともクロフォードのようになるのか、プロモーターの腕が問われるところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本のボクシング界と違い、非常に複雑な海外ボクシングのプロモーターシステムが分かってきたのではないでしょうか。

これを知れば、なぜあの選手の対戦相手がアイツなのか、分かってくるはずです。

もちろん、一番面白いのは試合ですが、こういったビジネス上の駆け引きが分かってくれば海外ボクシングがより一層楽しくなってきます。

最後までありがとうございました。

それでは。